手術が終わることと管理が終わることは違います
インプラントの変化は症状のないまま進むことがあります。検診は問題が起きてからではなく、その前に受けるものです。
症状がなくても確認する理由
胸の形が変わった、触り心地が変わったことで気づく場合もありますが、特別な症状がないまま見つかる場合もあります。とくにシリコンインプラントの破損は症状のない状態で存在し得ます。ですから「困っていないから大丈夫」という判断は根拠になりません。
検診の目的は問題を見つけることだけではありません。今の状態を記録に残しておけば、次に変化が起きたとき「いつから違ってきたのか」がわかるんです。比べる過去の記録がなければ、判断は推測になります。一度も確認されたことのない方に検診をおすすめする理由です。



検診で確認すること
手術前と手術後では見る項目が異なります。以下は確認の対象であり診断結果ではありません。
| 時期 | 確認すること | なぜ見るのか |
|---|---|---|
| 手術前 | 現在の乳房の状態(疾患の有無)、生検の必要性、全体の輪郭と左右差。 | 結果によって適した術式とインプラントの選択が変わります。 |
| 手術後の初期 | インプラントの落ち着き具合、漿液腫・血腫の有無。 | 早い時期に確認するほど対応の選択肢が広くなります。 |
| 定期検診 | 破損の有無、拘縮と被膜の厚さ、インプラントの位置と回転。 | 症状のないまま進む変化があり、触診だけでは足りません。 |
| 乳房そのもの | インプラントとは別に、乳房組織の所見。 | 豊胸の有無にかかわらず乳房の健康は別に確認する必要があります。 |
院内で可能な検査
U&Uには乳腺外科の専門医が常勤し、検査・診断・治療を院内で続けて行います。
乳房超音波
定期検診の基本です。拘縮、破損、漿液腫などの異常の有無を確認するのに役立ちます。
マンモグラフィ
乳房撮影の検査です。超音波とは見えるものが異なるため、状態に応じて併用します。
生検・マンモトーム
必要と判断されれば院内でそのまま行えます。ほかの病院へ移る必要がありません。
乳がんの血液検査
マストチェックなど血液を用いる検査も院内で可能です。画像検査とは目的が異なります。
超音波とMRIは役割が違います
当院は定期的な超音波検診をお勧めしています。負担が少なく、インプラントと周囲の組織を併せて見られるためです。MRIはインプラントの状態をより精密に評価できる検査で、超音波だけでは判断が難しい場合や破損が疑われる場合に情報を補うために用います。
すべての方にMRIが必要なわけではありません。検査計画は超音波の結果と状態を見て立てます。多く検査を受けることではなく、必要な検査を適切な時期に受けることが大切です。
こういうときは時期を早めて確認を
以下は受診を検討する目安であり、異常があるという意味ではありません。
- 以前より硬くなった、形が変わった感じが続いている。
- 片側だけ大きさや形が変わった。
- 痛みや突っ張る感じ、腫れが新たに出てきた。
- 触れるしこりがある。
- 手術から時間が経っているのに一度も超音波で確認したことがない。
- 手術の記録がない、どのインプラントが入っているか分からない。
他院で手術された方でも大丈夫です
他院手術後の検診とご相談は当院の主要な診療分野です。以前の手術情報(インプラントの種類、手術時期、切開位置)を分かる範囲でお知らせいただくほど確認が正確になります。記録が残っていなくても超音波で現在の状態を把握できますので、そのままお越しください。
検診の結果だけを理由に手術をお勧めすることはありません。経過を見てよい状態であればそうお伝えし、次に何を基準に見るのかを定めます。検診に来られた方をそのまま手術相談へ流す運びは作りません。
海外にお住まいの場合
帰国後は現地で検診を続けられるのが現実的です。ですから当院で手術を受けられた方には、どの検査をどの項目で受けるか、結果の何を確認するかを整理してお渡しします。現地の検診結果をお送りいただければ一緒に確認します。
韓国にお越しのご予定があれば、そのとき院内検診を一緒に組む方法もあります。手術なしで検診だけを受けにいらっしゃる方もいますし。その場合に必要な滞在期間は短いです。
検査ごとに得意なものが違います
どの検査がより良いのかとよく聞かれるのですが。良し悪しではなく、見えるものが違います。だから一つで終わらない場合が出てきます。
| 検査 | よく見えるもの | この検査だけでは足りないもの |
|---|---|---|
| 触診 | 硬さと形の変化、触れるしこり | 中で何が起きているかはわからない |
| 乳房超音波 | インプラントと被膜、周囲にたまった液体、乳房組織の所見 | 判断があいまいに残る場合がある |
| マンモグラフィ | 乳房組織の細かな所見 | インプラントで隠れる部分が出るため撮影方法を変える必要がある |
| MRI | インプラントの状態をより詳しく見る | すべての方に必要な検査ではない |
検診当日はこう進みます
まず伺うところから始めます。いつ手術されたのか、どんなインプラントなのか、最近変わったと感じたことがあるか。この三つがその日に何をさらに見るかを決めます。
次に診察と超音波に移ります。超音波は左右を分けて見て、インプラントと被膜、周囲の組織を順番に確認します。見えているものをその場で画面で一緒にご覧いただきます。
最後は説明です。今の状態がどうか、次に何を基準にまた見るかを決めて終わります。結果をメッセージ一行で通知して終わりにはしません。
結果報告書で確認していただく項目
現地で検診を受けられる方のために、報告書の中で何を探して読めばよいのかを整理しました。
インプラントの殻の状態
殻がつながっているか、折れている部分が見えるかを書きます。破損が疑われれば、ここに表現が残ります。
被膜の厚さと性状
被膜が厚くなっているか、石灰が見えるかが記録されます。拘縮を判断するときに一緒に見る項目です。
インプラント周囲の液体
漿液腫や血腫のようにたまったものがあるかを見ます。量と位置が一緒に書かれていれば、より正確です。
乳房組織そのものの所見
インプラントとは別に乳房に見えるものがあるかどうかです。この項目が空いていれば、インプラントだけを見た検査です。
手術記録がなくても大丈夫です
どんなインプラントが入っているかわからない、とおっしゃる方が思ったより多いです。ずいぶん前に受けられたか、手術した病院がなくなったか、記録を受け取っていない場合ですが。そのままお越しいただいて構いません。
超音波でわかることとわからないことがあります。今インプラントがどの層に置かれているか、被膜がどんな状態か、破損が疑われる所見があるかは確認できます。ただ、メーカーや正確な容量のように記録にしか残らない情報は、画像ではわかりません。
ですから記録がない場合は、今の状態を基準点として新しくお作りします。今日見たものを残しておけば、次に変わったときに比べるものができます。
お越しの際に持ってきていただくとよいもの
なくても検診はできます。ただ、あれば判断がはるかに正確になります。
- 手術記録やインプラントカード。写真に撮ってきていただいても構いません。
- 以前に受けた超音波やMRIの画像、読影の結果報告書。
- 手術直後に撮っておいた写真があれば一緒に。
- 今服用中のお薬があれば、その名前。
- いつから何が変わったと感じたかのメモ。
- 以前に再手術や施術を受けたことがあれば、その時期。
インプラントがあっても乳がん検診は受けてください
豊胸をしたからといって乳がん検診を飛ばしてはいけません。インプラントの検診と乳がん検診は目的の違う検査です。一方を受けたからといって、もう一方を受けたことにはなりません。
ただ、検査を受けるときにインプラントがあることを必ずお伝えください。撮影方法と読影で考慮する点が変わるからです。知らせずに進めると、インプラントが隠した部分がそのまま通り過ぎることがあります。
U&Uは乳腺外科の専門医が常勤していて、この二つを一か所で見ます。超音波とマンモグラフィ、必要なら組織検査とマンモトーム、血液を用いた検査まで院内で続きます。検査のために病院を移動していただく必要はありません。
結果によって次がどうなるか
検診を受けたら必ず何かをすることになるのでは、と聞かれるのですが。実際には以下の四つに分かれ、ほとんどは上の二行で終わります。
| 結果 | 次に行うこと | 次に見る基準 |
|---|---|---|
| 特別な所見なし | 今の状態を記録に残す | 次の確認時期を状態に合わせて決める |
| 軽微な変化 | 治療せず経過だけを見る | 変化が進んでいるかを次の検診で比べる |
| 判断があいまい | 追加の検査で情報を足す | 追加検査の結果が出てから改めて決める |
| 再手術を検討する対象 | 何をなぜ行うのかからご説明する | 治療の範囲は被膜拘縮や抜去、再手術のご案内に続く |
検診の間隔を数字で言い切らない理由
どれくらいに一度来ればいいのかと一番よく聞かれます。ところがここに一つの数字を差し上げるのが正確ではないんですね。インプラントの種類と手術の時期、これまでの経過、そして前回の検診で何が見えたかによって次の時点が変わりますから。
たとえば前回に所見がなくて症状もなければ、余裕を持って見ていけば大丈夫です。逆に被膜が厚くなる流れが見えていたり、以前に拘縮で再手術を受けられたことがあれば、もっと頻繁に確認されるほうがよいですし。同じ方でも時期によって変わります。
ですのでこちらは検診が終わるときに、次はいつ来られればよいかをその場で決めて差し上げます。一般論ではなく、今の結果に基づいた時点です。その間に変化を感じられたら時期に関係なくいらしてください。
検診を先延ばしにさせる考え
来られるまで数年かかったとおっしゃる方が多いです。以下はそのときにされていた考えです。
症状がないから大丈夫だろう
シリコンインプラントの破損は症状なく存在しうるんですね。症状が基準になれないことが、定期検診を置く理由です。
手術した病院でなければ診てもらえない気がする
他院で手術を受けられた方の検診がこちらの診療範囲です。記録がなくても超音波で確認して、今の状態を整理してお渡しします。
行ったら手術しろと言われそう
検診結果のほとんどは所見なしか経過観察で終わります。再手術を検討する状態であれば、何をなぜするのかからご説明します。
もう長すぎて今さら何になるのか
長く経っているほど一度確認しておかれるほうがよいです。拘縮でも破損でも、早く見つかるほど選択肢が広いですから。
検診と検診の間にご自身で確認されること
検査の代わりにはなりません。ただ変化に早く気づかれるには役立ちます。
- 硬くなった感じが数日ではなく数週間以上続いているか。
- 片側だけ形が変わったり、上に上がって見えるか。
- 横になったときに自然に広がらず形が保たれるか。
- 引っ張られる感じや痛みが新しく出たか。
- 大きさが急に変わったり、腫れた感じがあるか。
- 触れるしこりが新しくできたか。これはインプラントとは別に確認が必要です。
検診の記録を積んでおかれると変わること
一度の検診で分かることには限りがあります。今の被膜がこの程度だということは分かりますが、それが元々そうだったのか最近厚くなったのかは、比べる対象があって初めて分かるんですね。
ですので所見がなくても今の状態を記録に残します。次にいらしたときに比べるためです。変化の向きを知るほうが一時点だけを見るより正確なんですが、これが定期検診の実際の値打ちです。
他で受けられた結果があれば一緒に見られるようお持ちください。読影所見や画像ファイルで十分です。海外にいらして現地で受けられたのであれば、送っていただければ一緒に拝見します。
インプラント検診について最も多いご質問
- 豊胸後の定期検診はなぜ大切ですか?
- 豊胸は手術が終わったら管理も終わりというものではありません。定期的な検診でインプラントの状態と乳房の健康を併せて確認することが大切です。とくに超音波検査は拘縮、破損、漿液腫などの異常の有無を確認するのに役立ちます。
- どのくらいの頻度で受ければよいですか?
- インプラントの種類、手術の時期、現在の状態によって異なります。当院では検診のたびに次にいつ確認するとよいかを一緒に定めます。一律の周期をお伝えするより、いまの状態に合わせて組むほうが正確です。
- インプラントの破損はどうすれば分かりますか?
- 形の変化、触り心地の変化、左右差などで見つかる場合もありますが、特別な症状がないまま見つかる場合もあります。とくにシリコンインプラントは症状のない状態で存在し得るため定期検診が大切です。超音波とMRIが状態の確認に役立ちます。
- MRIは必ず受けなければなりませんか?
- すべての患者さんに同じように当てはまるわけではありません。MRIはインプラントの状態をより詳しく確認できる検査で、破損の確認や追加の評価が必要な場合に役立ちます。超音波の結果と状態を見て検査計画を立てます。
- 検診で異常が出たらすぐ手術ですか?
- いいえ。見つかった内容と程度によって経過観察で十分な場合が多いです。再手術を検討する基準は別にあり、その場合でも何をなぜ行うのかを先にご説明します。
- 豊胸をしていても乳がん検診は受けられますか?
- 受けられます。インプラントがある場合は撮影方法と読影で考慮する点があるため、検査を受ける際は必ずインプラントがあることをお伝えください。U&Uは手術前検査を含め乳がん検診を院内で行っています。
- 手術記録がないのですが検診を受けられますか?
- 受けられます。記録がなくても、今インプラントがどの層にあるか、被膜がどんな状態か、破損が疑われる所見があるかは超音波で確認できます。ただ、メーカーや正確な容量のように記録にしか残らない情報は画像ではわかりません。
- 検診だけを受けに行ってもいいですか?
- 大丈夫です。手術なしで検診だけを受けにいらっしゃる方もいます。その場合に必要な滞在期間は短いですし。検診を受けに来て手術相談になる流れを、当院は作りません。
- 現地で受けた検診結果を見ていただけますか?
- はい。画像や読影の結果報告書をお送りいただければ一緒に確認します。何をどの項目で受ければよいか、結果で何を見ればよいかも前もって整理してお渡しします。ただ、元の画像なしに要約だけでは判断が限られます。
- 検診のとき痛いですか?
- 超音波はほとんど痛みがありません。マンモグラフィは撮影中に圧迫される不快感があることがありますし。組織検査が必要な場合は局所麻酔のうえで行います。どの検査を受けることになるかは、その日の超音波を見て決めます。
検診と併せてご覧いただきたい案内
最後に確認したのがいつか思い出せないなら
手術の時期とインプラントの情報を分かる範囲でお知らせいただければ、どの検査が必要かご案内します。他院で手術された方もお越しいただけます。
