自分の脂肪で行う豊胸、正直にご案内します
自家脂肪豊胸は、異物感がなく自然だという期待でよく選ばれます。ただ脂肪注入だけでは、望まれる形とボリュームに限界がある場合が少なくありません。バストだけを診療するU&U美容外科が、脂肪注入が合う状態とそうでない状態を分けてご説明します。
脂肪注入豊胸を慎重に判断すべき理由
注入した脂肪は全部が生き残るわけではありません。一部は体に吸収されます。吸収される度合いも、上胸か下胸かで違ってきます。ですから脂肪注入だけで上胸のボリュームやはっきりしたバストラインといった形をつくるには限界があります。望まれるボリュームによっては、複数回の施術が必要になることもあります。
注入された脂肪がしこりになると、脂肪壊死、嚢胞、石灰化といった変化が起こることがあります。こうした変化は、その後の乳房検診や手術の条件にも影響します。脂肪注入の後にインプラント手術を行うと出血リスクが上がりうるという研究も報告されています。ですから私たちは脂肪注入を流行ではなく、医学的判断の問題として扱っています。
状態と目標によって変わる3つの方向
正解がひとつに決まっている手術ではありません。望まれるボリューム、乳房組織の状態、体脂肪量によって方向が変わります。
脂肪注入のみ
ごく緩やかなボリューム補完が目標で、吸収を織り込める場合です。ただ形をつくる力が弱いのです。期待と結果の差をカウンセリングで先に確認していただく必要があります。
ハイブリッド豊胸
インプラントでボリュームと形の土台をつくり、必要な部位に脂肪注入を加えて輪郭をなめらかに整える方法です。U&Uは状態に応じてこのハイブリッド設計を行っています。
インプラントのみ
はっきりしたボリュームの変化と予測できる形をお望みなら、インプラントが基本になります。モティバなどのインプラント選択と切開・位置の設計は、ガイドで詳しく扱っています。
施術前に知っておいていただきたいこと、隠さずお伝えします
脂肪注入は簡単な施術として紹介されることが多いのですが、実際には吸収と再施術の可能性、脂肪壊死や石灰化といった変化、その後のバスト手術の条件に及ぼす影響まで一緒に置いて選んでいただく必要のある選択です。私たちはカウンセリングでこの限界を先にご説明し、脂肪注入が適さない状態であればおすすめしません。20年間バストだけを見てきた私たちが守っている原則です。
手術の前後は、検査で確認します
手術前には血液検査と乳房超音波でバスト組織の状態を確認します。手術後も定期検診で乳房の健康を一緒に見ていきます。以前に脂肪注入を受けられた方の再手術のご相談でも、検診結果をもとに安全な計画から立てます。
術後の乳房検診のご案内を見る注入した脂肪が定着することも、消えることもある理由
注入された脂肪が体に残るには、血液の供給を受けなければなりません。新しい血管が脂肪の塊の内側まで伸びてこそ細胞が生き残ります。その過程が届かない部分は吸収されます。ですから一度に大量をまとめて入れるほど中心は生き残りにくく、薄く何層にも分けて入れるほど生着の条件は良くなります。この施術の難しさは脂肪を入れること自体ではなく、この配分にあります。
生着率は人によって違い、同じ方の中でも部位によって違います。組織が厚く血流の良い下胸のほうは比較的よく残ります。皮膚が薄く組織の少ない上胸は吸収が多くなります。多くの方が望まれる上胸のボリュームが、脂肪注入で最もつくりにくい部位である理由がここにあります。さらにもうひとつ、脂肪組織はもともと乳房の形を支えるためにできた組織ではありません。そのうえバストは一日も休まず重力を受け続ける部位です。
脂肪注入とインプラント、何が違うのか
どちらが良いという表ではありません。それぞれが何を得意とし、何ができないのかを並べて置いてみたものです。個人差が大きいため、数値ではなく性質で整理しました。
| 項目 | 脂肪注入 | インプラント |
|---|---|---|
| ボリューム変化の幅 | 緩やかです。吸収を見込むと一度で得られる変化には限りがあります | 設計したとおりの、予測可能な変化をつくります |
| 形のデザイン | ボリュームを足すもので、上胸部のラインのような形をつくる力は弱いです | 大きさ・形・プロファイルを選んで設計します |
| 時間による変化 | 一部が吸収され、残った脂肪は体重の変化に従います | 体重に関係なくボリュームが保たれます |
| 主に考慮する変化 | 脂肪壊死、嚢胞、石灰化 | カプセル拘縮、破損、血腫 |
| 乳房検診との関係 | 石灰化やしこりができると、画像診断で追加の確認が必要になることがあります | インプラントを考慮した撮影法で検診します |
順序を誤ると次の手術が難しくなります
インプラントは負担だから、まず脂肪注入をしてみて、気に入らなければそのときインプラントを。自然なお考えですし、多くの場合は実際に可能です。ただ、先に行った脂肪注入のせいで難しくなることが二つあります。ひとつは、注入された脂肪にしこりや石灰化した部分があると、その上にインプラントを入れてもバストラインが滑らかになりにくかったり、触れたときに引っかかる感じが残ったりすることです。
もうひとつは、脂肪注入がカニューレという細い管を脂肪層と筋膜、大胸筋のあいだに通しながら微細な傷を残すことです。そして注入された脂肪が生き残る過程で、その場所に新しい血管が育ちます。以後、同じ部位を開く手術で出血が増えうるという報告はここから出てきます。ですから脂肪注入をご検討の際は、今の満足だけでなく、この先に残る選択肢まで一緒に置いてご判断ください。順序を変える費用は、後になって請求されるのです。
脂肪注入が向く場合と向かない場合
同じ施術でも出発点が違えば結果は変わります。カウンセリングで実際に分かれる基準を書き出してみました。
比較的よく合う場合
採取できるだけの体脂肪があり、目標が大きなボリュームではなく、痩せ型で出やすい境目や輪郭をやわらげる方向である場合です。吸収と再施術の可能性は織り込んでいただける必要があります。
ハイブリッドが適する場合
望まれるボリュームははっきりしているのに、痩せ型でインプラントの境目が出やすい場合です。インプラントで骨格をつくり、必要な部位にだけ脂肪を足して境目を覆います。
おすすめしない場合
体脂肪が足りず採取自体が難しい場合、望まれる変化がワンカップ以上とはっきりしている場合、垂れがあってボリュームではなく位置が問題である場合です。こうしたときは別の方向をお伝えします。
先に検診が必要な場合
以前に脂肪注入を受けられたことがある場合や、乳房撮影で確認の必要な所見がある場合です。乳腺外科の診療と超音波で状態を先に確認してから計画を立てます。
施術後の生着を左右する管理
脂肪注入の結果は手術室で半分、その後の数週間で半分が決まります。以下はカウンセリングで必ずお伝えする項目です。
- 注入部位を押したり長く圧迫したりしないこと。うつ伏せで寝る姿勢と締めつける下着が特に問題になります
- 初期の数週間は急激な減量を避けること。残った脂肪も体の脂肪とまったく同じように減ります
- 禁煙。喫煙は新しい血管が育つ過程を直接妨げます
- 腫れが引く前に結果を判断しないこと。初期のボリュームは最終のボリュームではありません
- 今後の乳房検診では脂肪注入の既往を必ずお伝えください。読影の基準が変わります
- 帰国後、決められた時点で経過のお写真をお送りください。遠隔でも生着の経過を一緒に見ていきます
どこから採った脂肪かが生着率を分けます
脂肪注入のカウンセリングでたいてい話題になるのは何cc入れるかです。ところが結果をより大きく分ける値は別にあります。その脂肪をどこから採取したかです。
注入した脂肪が吸収されずに残る割合を生着率といいます。この割合を上げるには、受け入れる側の組織と質感の近い脂肪を使う必要があります。胸に入れる脂肪なら、乳腺組織に近い質のものが有利だという意味です。ですから当院では副乳から採取した脂肪を主に使います。
太ももや腹部から採った脂肪は量を確保しやすい一方、乳腺組織と質感が異なり生着率が下がる傾向があるため好みません。カウンセリングで採取部位を先に決める理由がここにあります。どこから採るかを問わずに何cc入れるかから決める計画なら、決める順番が逆になっています。
当院は脂肪注入を大きくする目的では使いません
脂肪注入でボリュームを作ろうとすると入れる量が大きくなります。そして一度に多く入れるほど問題の生じる余地も大きくなります。生着しなかった脂肪細胞が壊死し、そこから出た油分が袋のように閉じ込められるオイル嚢腫、その場所にカルシウムが沈着して硬くなる石灰化が代表的です。さらに注入された脂肪は、その後の乳房画像検診で読影を難しくします。
ですから当院では脂肪注入を胸を大きくする目的には使いません。使うのは二つの場合に限ります。皮膚と組織が薄くインプラントの境目が出そうなときにその上を覆う用途、そして境目ではなくライン自体をなめらかにつなぐ用途です。
脂肪注入が悪いという意味ではありません。しなくてよい脂肪注入が足されることがないようにという意味です。カウンセリングで脂肪注入を勧められたら、何を解決するために入れるのか、その問題は他の方法では解けないのかを聞いてみてください。答えがボリュームひとつだけなら、考え直してみる価値があります。
ハイブリッドが必ずしも必要ではない場合があります
インプラントと脂肪注入を一緒に行う方法をハイブリッドと呼びます。脂肪注入ができるところならどこでも可能な組み合わせなので、同じ体を見ても病院によって必要だ不要だが分かれます。患者側には、どちらの言い分が正しいか判断する材料がありません。
判断の糸口はなぜハイブリッドを勧めたのかにあります。最も多い理由はインプラントの境目が出るかもしれないというものです。ところがその問題は脂肪で覆わなければ解けないわけではありません。インプラントをどの層に入れるかでもかなりの部分が扱えます。胸の筋肉の下に入れるデュアルプレーン法は筋肉が上を覆ってくれるので、筋肉の上に入れるより境目が出にくくなります。
つまり挿入層をきちんと決めれば脂肪注入なしでも自然なラインが出る場合が少なくありません。組織が本当に薄く層の選択だけでは足りない方には当院もハイブリッドをお勧めします。ただしその判断が先で、脂肪注入はその次です。
胸へのフィラーはお勧めしません
手術という言葉が負担でフィラーから調べる方がいらっしゃいます。結論から申し上げると、胸部へのフィラーは医学的にほとんど推奨されない選択肢です。
フィラーは本来、顔のような浅い層に使うように作られた物質です。体積が大きく乳腺組織が根づいている胸に入ると、しこりのような結節、炎症と感染が報告されます。そしてさらに重要な問題がもう一つあります。
胸に入ったフィラーは画像検診で陰影を作り、腫瘍との区別を難しくします。出産を終えた時期ならむしろ定期的な乳房検診の重要度が上がる時期です。その時期に読影を妨げる物質を入れるという選択は、ボリュームを得る代償として大きすぎます。
インプラントを抜いたあと、脂肪注入が最善でしょうか
インプラント除去を調べる方の検索の流れはたいてい同じです。合併症で抜かなければならない状況になり、抜いたら凹むのではと心配になり、脂肪注入を調べ、口コミを探します。この流れの中に、口コミを見るだけでは見えないものが一つあります。
インプラントを抜くと決めた理由を思い出してみてください。胸が硬くなったから、しこりが触れるから、何かが触れるから、という場合が多いはずです。ところが続いて行った脂肪注入でオイル嚢腫や石灰化が生じると、胸に何かが触れて硬いものが当たる日常がまた始まります。全員に起こるという意味ではありません。ただ、除去の自動的な次の段階が脂肪注入だという結論は慎重であるべきだという意味です。
そして前提そのものを確認する必要があります。インプラントを抜けば必ず凹むのか。そうではありません。結果を分けるのは被膜の状態です。超音波で確認して被膜が薄く、石灰化なくきれいで、炎症反応がひどくなければ、残した被膜が型のように働いて抜いた場所のボリュームをある程度保ってくれます。脂肪注入なしでも完全には凹まないという意味です。逆に被膜が厚くなったり収縮したり石灰化が進んでいれば除去が必要です。この判断には被膜の厚みと胸壁との距離を見られる画像検査が必要です。
上胸が凹んだときの脂肪注入の限界
出産と授乳を終えて上胸が空いて見えるのが悩みなら、脂肪注入でその部分だけ埋めればよいのではと考えるのは自然です。もっともな考えですが、この状態に限って言えば二つの限界がはっきりしています。
一つ目は吸収率です。注入した脂肪の一定部分は吸収されますが、吸収される量と場所が人によって違います。結果として左右がずれたり、追加の施術が必要になったりする場合が生じます。二つ目は必要な量です。上胸の凹みは単なるボリューム不足ではなく、下がった胸の上側が空いてしまった状態なので必要な量が少なくなく、そのぶん先ほどの大量注入の問題につながります。
そこにもう一つ決定的な違いがあります。脂肪注入はボリュームを足すだけで、下がった胸を引き上げることはできません。一方、空いてしまった内側を満たすと上胸が満ちて乳頭の位置も一緒に上がります。空気の抜けた風船に空気を入れると形が上がるのと同じ理屈です。ただしこれもある程度までの下垂の話で、進んでいる場合は満たすことと上げることを一緒に計画しなければなりません。乳頭と乳房下のしわの位置、皮膚の弾力と靭帯の強さはご自身では測りにくい値なので、診断が先です。
脂肪注入豊胸についてよくいただくご質問
- 脂肪注入だけで1カップ以上大きくできますか?
- 注入した脂肪の一部は吸収されます。ですから一回の施術で大きなボリュームの変化をつくるのは難しいのです。はっきりしたボリュームの変化をお望みなら、インプラントやハイブリッド方式を併せてご検討いただくのが現実的です。
- インプラントより脂肪注入のほうが安全ですか?
- 種類の違う選択であって、どちらかが常により安全というわけではありません。脂肪注入には吸収、脂肪壊死、嚢胞、石灰化といった固有の検討事項があるからです。カウンセリングでは、今の状態を基準に長所と短所を比べてご説明します。
- ハイブリッド豊胸はどんな場合に行いますか?
- まずインプラントでボリュームの骨格をつくります。そのうえで、痩せ型でインプラントの境目が出やすい部位に脂肪注入を足し、自然さを補う方式です。体脂肪量とバスト組織の状態によって可否が変わります。
- 以前脂肪注入を受けましたが、インプラント手術はできますか?
- 可能な場合が多いです。ただ注入された脂肪の状態(しこり、石灰化など)によって手術の条件が変わることがあります。検診で状態を先に確認してから、安全な計画を立てることが先です。
- 体脂肪が少ないのですが、脂肪注入はできますか?
- 注入する脂肪を採取できる部位が十分にある必要があります。ですから痩せ型の方では脂肪注入だけでは難しいことがあります。その場合はインプラント中心の設計のほうが合うこともあり、カウンセリングで代案を一緒にご案内します。
バスト整形をさらに詳しく
脂肪注入が合う状態かどうかから確認してみてください
正面と側面のお写真さえあれば、オンライン相談で脂肪注入、ハイブリッド、インプラントのうち今の状態に合う方向をご案内できます。脂肪注入が適さないのであれば、適さないと申し上げます。私たちが守っている原則です。
